私の創業のきっかけは2009年の出産。当時の私は会社員で、出産を機に産休・育休中でした。娘が生後半年を過ぎ少しゆとりを感じ始めた頃、ベビーマッサージとアロマを学び始めました。これが仕事になるとはつゆ思わず、興味の向くまま始めましたが、学び進めると育児ストレスが癒され、娘がさらに愛おしくなるのを自ら実感。「育児中の方にこれを伝えたい」と強く思うようになりました。
娘が保育園に入れず育休を延長したのを機に、2011年から少しずつ自宅でベビーマッサージとアロマの教室を開始。笑顔と充実感をダイレクトに感じられるこの仕事は楽しく、これをライフワークにすべく、育休から会社に戻ることなくそのまま退職。会社には迷惑を掛けたと思います。でも自分の人生は自分で造るもの。日本人は空気を読むのを美徳とする傾向がありますが、思い切って自分の心に従ってみるのも悪くないかもしれません。
次第に外部での教室も増え、仕事の幅も広がりました。昼間は教室、帰宅後は主婦業と母親業、夜深くまでブログ更新と、睡眠を削ってまさにがむしゃら。しんどいと感じる暇もなく、充実感が勝っていました。あまり深く考えずに思いのままに動くタイプですが、そのくらいが創業には向いているのかなと。手探りながら教室を続けるうちリピーターも増え、ありがたいことにスケジュール帳は二か月先まで埋まるようになりました。
やがて、ハーブやアロマトリートメントを含めた植物療法の教室も開始。お客様の「資格を取りたい」とのお声から資格校もスタート、それと同時に女性起業支援の活動も始めました。
主に自宅で8年間活動した後、仕事場を外に移しました。植物療法を広く世に届けるため、2階建ての物件の１階はカフェでハーブ料理の提供、2階は教室とスクールを展開。子どもが小さい時は自宅で、成長後は外で。子どもの行事に合わせて仕事を組めることや成長に合わせてやりたいようにできるのも起業の大きなメリットだと感じています。
とはいっても1歳の娘を抱えての起業は、周りの理解と助けあってこそ。子連れで出来る仕事のはずが現実は難しく、娘の幼稚園入園までは親や市のサポート事業に預けながら乗り切りました。創業3年目の次女の出産では、出産前日まで講座をし、産後1か月半で乳飲み子同伴で復帰。当時を振り返れば、理解あるお客様と助けてくれる両家の親など周囲に恵まれていたことに気付き、感謝しかありません。
笑顔とありがとうの言葉を胸に、自分のビジョンをかたちにする喜び。いい循環が私を支えてくれています。支えてくださる方々に感謝しながら勇気をもって踏み出せば、必ず良いカタチになる。そう信じて一歩を踏み出してみてください。きっと思った以上の未来が待っていますよ。