「女性創業者が語る創業の魅力」をテーマに、女性創業者の視点から見た創業の魅力や苦労などを、県内で活躍する女性創業者の方々に続々と語っていただきます。
1998年、夫と2人でデザイン事務所を開業して20周年を迎えようとしています。
早いもので商業デザインを生業にして30年が過ぎました。
2004年に法人化してからは徐々に社員も増え、継続的に仕事をいただける中でやりがいのある毎日を過ごし、経営も営業も社長の夫にまかせて、私は専ら制作や仕事のコーディネートを担っていましたので、そういう意味では私にとって本当の起業は、夫をガンで亡くした5年前かもしれません。事業を運営していくことの難しさや厳しさを目の当たりにして戸惑い、たくさんの方にご迷惑をかけ、また助けていただきながら、一から学びなおしました。現在は法人を休業し個人事業主として働いていますが「この仕事で食べていくんだ」という覚悟のおかげで続けてこられた気がします。
私は今、地域のがんばる中小企業や創業者を応援する機関、福山ビジネスサポートセンターFuku-Biz(フクビズ)で週一回、クリエイティブアドバイザーとしてお手伝いをしていますが、備後地方の「ひと・モノ・地域」がより輝くためにがんばっている方々の夢に、デザイナーという仕事を通じて寄り添え、実現していく場に立ち会えることに日々感謝しています。
生きるために仕事をしていく。
ありがたいことに、好きなことを仕事にできている。「好きな仕事をして疲れたと言えるのは幸せなことだ」そう言ってくださった方がいましたが、心からそう思います。
そして、そんな私は「私だからできること」を今もまだ探しながら生きています。
「起業」は私を活かしてくれるステージです。起業をお考えの方が読んでくださっていれば"起業の道は平坦ではないかもしれないけれど、その道すがらでいただける数多の貴いものが私の両手のひらには溢れている"ことをお伝えしたいです。
起業を願い「幸せな苦労」をする覚悟ができたなら、どうかその夢を実現してほしいと思います。