強い意志と情熱で挑戦する、
自分たちにしかできないお茶作り。

  • PROFILE
  • 学生時代、世界を旅する中で見いだした、お茶にまつわる仕事。自分で納得できる茶葉を栽培して販売することを目標に、国内各所で自然農法による茶葉の栽培方法を学ぶ。2016年に「Tea Factory Gen」を設立すると、世羅町に自分たちの畑を借りて、栽培・管理・製造をスタート。2017年には、尾道市に拠点となるカフェ兼販売スペース「Tea Stand Gen」をオープンし、夢のステージへ足を踏み出した。

教えて先輩!創業でつまずくポイント、乗り越えるコツ その1
やりたいことは何か? 突き詰めた答えに向かって進む。

自分が一生飽きずに取り組める仕事は何か。
たどり着いた答えが、日本のお茶。

 学生時代、世界中をバッグパッカーとして独り旅していた時に、将来自分がどんな仕事に携わりたいかを考えていましたが、どうせなら世界の中でも、日本人しかできない仕事をやろうと思うようになりました。着物の着付け、茶道、華道など頭の中で考え浮かんだことを整理し、自分が一生の仕事として飽きないものは何かを模索する中で、茶道の魅力にはまったのです。それまでハワイに留学したり、世界を放浪したりして、アメリカナイズされた教育を受けた僕にとって、茶道の考えは格好良く映ったのです。いざ勉強し始めると、茶道には深い文化もありどんどん面白くなりました。その時の僕は、自分しかできないことがきっとあると信じて、夢中になって学んでいました。そうしてたどり着いた答えが「お茶」なのです。

 大学卒業後、京都に本社を置くお茶の製造販売会社(一保堂茶舗)に就職しました。その時、周りの人たちには「お茶の業界は斜陽産業だから、もっと堅実な企業に就職した方がいい」と言われましたが、僕の中では堅実な会社はあまり魅力的でなく、やっていることも、どの国に行ってもある普通の仕事と思えたのです。人生は一回きりだから、他人と同じことをしても仕方ないと考えて、反対を押し切って就職しました。2年後、今度はお茶を販売するだけでは物足りなくなって、きちんと茶葉を作る段階から自分で関わってみたいと考え、鹿児島のオーガニック(有機肥料を使った無農薬栽培)の茶葉を作る西製茶工場で、2年間修行しました。その後、長野にある公益財団法人自然農法国際研究開発センターで、研修生として無農薬無肥料による自然農法を学び、さらに静岡や奈良でも、自然農法による茶葉栽培を学んで「ここまできたら自分でも作れる!」と自信を付けて、2016年、いよいよ広島に戻ってきたのです。

教えて先輩!創業でつまずくポイント、乗り越えるコツ その2
複数人での創業では、先送りせず遠慮せずに伝えること。

情熱を持った仲間だからこその衝突。
原点に立ち戻って、やるべきことをきちんとやる。

 創業の地として尾道を選んだのは、自分たちの茶畑がある、標高400メートルほどの世羅町から車で1時間余りと近く、海もあって、面白そうな人がたくさんいる町だからです。「いろいろとチャレンジできそう」と考えて、空き家を借り拠点にしました。
 すると、尾道に移り住んだ直後ですが、仕事のことを話した大学の先輩が、自分が始めたお茶作りに共感してくれて、翌日には僕の家にやって来て事業に参加してくれたのです。次に仲間になってくれたのが、滞在型コワーキングスペース「ONOMICHI SHARE」に滞在している人でした。月の半分は東京で仕事をして、残りの半分は尾道でリモートワークをしていたのですが、やはり考え方に賛同して加わってくれました。3人の運命共同体ができ上がって、「なぜお茶を作りたいのか」「どんなお茶を作りたいのか」を突き詰めるべく、新生「Tea Factory Gen」の歩みが始まりました。

 事業を行う上では、資金面や場所など大切なことがいろいろありますが、複数の人たちと事業に取り組む場合、最も重要なのは、パートナーとどれだけ同じ情熱を持って仕事に取り組めるか、命を懸けて仕事をできるかということだと思います。実際に事業を始めてみると、僕ら3人はみんなそれぞれに甘えている点があって、時間がたつにつれて、その甘えを巡って関係性がぎくしゃくし、みんな精神的につらくなったのです。このまま別れるのか、あるいはきちんと話し合ってやり直すのか、何週間もそんな相談が続きました。商売そのものよりも、誰かと一緒に仕事をする難しさを感じた時期でした。
 同じ志を持っていても、きちんと話すべきことは先送りせず、遠慮せずに伝えることが大切です。僕らは結果として、それぞれの役割をあらためて確認し、また3人で再スタートを切ることができました。目指すものと本質的に違うことや、余計なことに手を出しても結局は続きませんので、やり直しに当たっては原点に立ち戻り、自分たちがやるべきことをやろうと心掛けました。そうすれば、おのずと結果は付いてくると思っています。

教えて先輩!創業でつまずくポイント、乗り越えるコツ その3
創業当初のコンセプトを貫き、自分たちの強みにしていく。

こだわっているのは、魅力を伝える場所。
さらに展開を工夫して、お茶の魅力を広めたい。

 初めの頃は、街中を歩いていい感じのお店を見つけたら、立ち寄って「お茶を作っていますが、置いてもらえませんか」と声を掛けながら営業していました。数店舗だけに卸していましたが、すごく暇でしたね。でも大切にしているのは、どこで誰が作っているのか、どういう思いや経緯で作っているのかを知ってもらい、顔が見える相手に僕らのお茶を飲んでもらいたいという思いです。大量に作らないですし、スーパーでも売りません。売るのは、きちんと魅力を説明できる場所だけです。知人の紹介で2017年10月から、瀬戸内海で運航を始めたクルーズ客船「guntû(ガンツウ)」の中で、僕らのお茶を提供してもらえることになりましたが、それも思いが伝わったからこそだと思っています。同じ年に、自分たちのやりたいことを発信する場として、尾道にカフェ兼販売スペース「Tea Stand Gen」をオープンしました。メイン通りから1本裏に入っていますが、わざわざ訪ねてきた人は、お店の造りにきっと驚くはずです。ここを拠点に、僕らの思いをどれだけ発信できるか、それが今後の課題です。

 これからの展望としては、今は創業当時と変わらず卸8割、店舗直販2割ですが、数年以内にはその割合を半々にしたいと考えています。そのために、まず2019年春に世羅町に自社による製茶工場を建てて、本当に自分たちが作りたいお茶を追求できる環境を整えます。お茶の9割は、ここで作る予定です。その後、瀬戸内海各地で、茶葉を栽培している農家と提携することを考えています。「Tea Factory Gen Setouchi」なるブランドを立ち上げて、もっと多くの人たちにお茶の魅力を知ってもらう取り組みにチャレンジします。メンバーの役割も、先輩は茶畑と工場を管理し、僕は店舗運営と営業で、時期によっては茶畑を手伝い、もう一人は、お茶を使ったコト体験を生み出して、尾道を訪れた人たちに喜んでもらうなどと、分担しながら計画を進めていきます。
 事業は、実際に走り始めないと分からないことも多いですね。僕も、走りながらずっと考え続けています。これから創業する方は、親身になって話してくれる人がいれば、恥ずかしがらずに相談してみるといいと思います。いろいろ苦労はありますが、乗り越えていくたびに自分の中で腹が据わって、仕事が楽しくなっていきますよ!

会社情報

事業所名 Tea Factory Gen
所在地

〒722-0035 広島県尾道市土堂1丁目14-10

連絡先

TEL:0848-88-9188

ホームページ http://tea-factory-gen.com/
創業 創業2016年
従業員数 -
業種 製造・小売業
事業内容

お茶の栽培・製造・販売

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