“好き”から始まったことだから、
迷う必要はなかった。

  • PROFILE
  • 兵庫県内での金融機関勤務を経て、司法書士資格を取得。故郷を離れ、広島市内に勤務する司法書士として実務経験を積んだ後、福山市で自身の事務所を開業する。「ご依頼主の思いをかなえる仕事」をモットーに、高齢化社会の到来とともにニーズが高まる家族信託などを強みとし、常に期待以上のサービスをお客さまへ提供している。

教えて先輩!創業でつまずくポイント、乗り越えるコツ その1
創業場所を決める前に、地域と市場を分析しておく。

地域に密着しやすく、1対1で、
お客さまと向き合える街を探した。

 私の場合、創業する前は兵庫県で金融機関に勤めていました。その後、お客さまの思いにより深く寄り添う仕事がしたいと考えるようになり、会社を辞めて司法書士の資格を取った次第です。資格を取ってからは広島市内の事務所に勤務し、2013年に福山市に移って、自分の事務所を開きました。
 実は広島も福山も、自分にとっては縁もゆかりもない土地です。当然、顧客もゼロでしたので、営業活動は、まず知り合いをつくるところからスタートしました。例えば銀行や不動産業など、司法書士の需要がある業界と地道につながりながら、ネットワークを広げていきました。多くの方は、「少しでも土地勘のあるエリアで開業する方が有利では?」と思われることでしょう。しかし東京や大阪をはじめとする大都市では、大手の事務所が市場を席巻している状態です。私としては、お客さまの近くでその思いに寄り添う仕事がしたくてキャリアチェンジまでしたのに、大手のやり方に翻弄されるのは不本意でした。そこで、より地域に密着しながら、お客さまと1対1での関係を築ける場所を探して、福山を開業の地に選んだのです。都市が大きければ良いとは限りませんので、どのように仕事をしていくかで、創業の場所を分析しておく必要があると思います。
 大都市というほどでもないけど、田舎というわけでもない。「福山」という街の規模は、私の創業のイメージを組み立てるのに理想的でした。都合の良いことに、ちょうどその時、現在入居している若手起業家のための支援ビル「Dioporte(ディオポルテ)」が入居者を募集していたのです。「これだ!」と思った瞬間には、もう入居の手続きを行っていましたね(笑)。妻も福山への転勤を申請し、家族そろって福山へ移住することを決めました。開業後は、知らない土地でゼロから仕事をするわけですから、もちろん飛び込み営業などにも、果敢に挑戦しました。あとは他の士業の先生からご紹介いただきながら、ご依頼いただいた案件は取りこぼしがないように努め、地道に信頼を積み上げ、現在に続いているといった状況です。

教えて先輩!創業でつまずくポイント、乗り越えるコツ その2
多くの引き出しを用意して、競合との差別化を図る。

どの業種でも差別化を図っていくには、
コンサルティングの能力が重要。

 地域に根差して仕事がしやすい福山を開業の地に選んだといっても、最近は地方都市においても、大手事務所の支店がちらほらと進出しています。そんな中でお客さまの支持を得るには、やはり強みを持つことで差別化を図っていくしかありません。他の業種でもいえることですが、コンサルティングの要素を深めて、お客さまの悩みを共に考え、共に解決していく姿勢がとても大事になってきます。私も年に数回は、東京で行われる勉強会などに参加して、今お客さまが何に困っているのか、どんなところに司法書士の活躍のニーズが高まっているのかなどを勉強しています。
 例えば最近では、超高齢社会を背景にして、「家族信託」の活用が注目されています。具体的な活用事例としては、「認知症対策」「障がいを持つ子の親なき後対策」「二次相続以降の対策」「不動産や株式の共有対策」「事業承継対策」などが挙げられます。私もこうした問題に対応するため、他の士業の先生方と共に、「一般社団法人 広島家族信託協会」のメンバーに名を連ね、「家族信託」の活用普及に努めています。
 「家族信託」の問題以外でも、お客さまの困りごとに幅広く対応していくには、常にアンテナを広げ、世の中のニーズを敏感にキャッチしておくことが必要です。士業に限らず、これから創業を目指される方は、自分の強みについてじっくり考える必要があると思いますが、差別化のポイントは一つといわず、なるべくたくさんの引き出しを用意しておいた方がよいでしょうね。

教えて先輩!創業でつまずくポイント、乗り越えるコツ その3
何でも背負い込むのはNG!相談できる相手を増やす。

失敗を前提で物事を考えず、
プラス思考の癖を付ける。

 独立したのは2013年ですが、2015年頃から従業員を雇い入れ、今は3人体制で事業を運営しています。法人化についても、現在準備を進めているところです。将来は、20人くらいの規模の事務所にして、幅広くお客さまのニーズに対応していきたいですね。全国規模でネットワーク化を図る大手の事務所に対抗するためにも、ある程度の事業規模に拡大し、お客さまの信頼に応えていかねばならないと感じています。
 これから事業を拡大していくに当たって、経営者としてプレッシャーを感じはじめているものの、「好きなことで仕事を始めたのだから、悪い方向に転がるはずがない!」と、期待に胸を膨らませてもいます。これから創業を考える皆さんも、挑戦する前からリスクに気を取られていては、きっと一歩も前へ踏み出せないと思います。失敗を前提で物事を考えるのではなく、プラス思考で前へ進む癖を付けてはいかがでしょうか。迷っているぐらいなら、とにかく動いてみてください。自分が動き出しさえすれば、自然と人脈が広がり、アドバイスしてくれる先輩や仲間にも出会えます。
 私も仕事柄、創業のお手伝いをすることがあるのですが、アドバイスをするとしたら、何でも自分で背負い込まないことです。時には人に頼ってみたり、プロの手を借りてみたりといったことをお勧めします。例えば、私が関わる仕事で例を挙げると、手間の掛かる会社の登記手続きは、プロの手を借りるとぐっとらくになります。ちなみに自分でやったとしても25万円近くかかりますが、司法書士がオンライン申請を行うと定款認証印紙代の4万円が不要になりますので、司法書士への報酬がかかってもトータルの費用では驚くほど高くはなりません。もちろん、少しでも安くしたいという場合もありますので、手間と費用との比較になりますが、「選択肢」として知っておくとよいと思います。
 とにかく大切なのは、一人で悩まないことです。創業者はどうしても孤独になりがちですので、困った時に頼れる「誰か」を増やしておきましょう。

会社情報

事業所名 瀬川司法書士事務所
所在地

〒720-0073 福山市北吉津町五丁目2番12号 DioPorteⅡ201

連絡先

TEL :084-983-3434

創業 2013年
従業員数 3名
業種 専門サービス
事業内容

会社法人登記、不動産登記、相続、認知症対策

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