福山市のものづくりにスポットを当て、
各分野のナンバーワンモデルを駅前から発信。

  • PROFILE
  • 広島県福山市生まれ。京都の大学を卒業後、通信関係の営業職や、友人との共同経営による飲食店の立ち上げなどに携わる。2013年福山市に戻り、同年4月から始まった卸町のマーケットイベント「STOREHOUSE」の運営メンバーに。イベントと連動したフリーペーパー制作などを手掛ける。「全国でもトップクラスのものづくり企業・作家が集まる福山をPRしたい」との思いから、2018年11月、陶芸やレザークラフトなど多様なジャンルの逸品を展示・販売する「THE FLAG SHIPS」プロジェクトをスタート。

教えて先輩!創業でつまずくポイント、乗り越えるコツ その1
同じ思いを持つ「人」との出会いを大切に

一期一会を大事に活動していたら、
意気投合できる同志と巡り会えた。

 高校卒業までを福山市で過ごしました。その土地で長く暮らしていると、余計に良いところが見えなくなるのかもしれませんが、「福山には何もない。刺激が少ない」というのが、ずっとこの街に抱いていた印象です。大学進学でいったん県外へ出たものの、2013年には実家の都合でUターンすることに。「これから何を仕事にしていこう」と思いを巡らせていた矢先、友人から卸町で開かれるマーケットイベント「第1回STOREHOUSE」のヘルプを依頼されました。飲食店の新店オープンに携わった経験もあるし、「力になれるなら」という思いで参加。いつの間にか運営メンバーの仲間入りをしていました。
 もともと私には、「雑誌やフリーペーパーを作ってみたい」という20歳ごろからの夢がありました。そこで、定期的なイベントで集客を図り、利益を上げながら、イベントと連動した紙媒体を手掛けようと決心。年3~4回のイベントとして「STOREHOUSE」は地域に定着し、運営メンバーに取材や撮影を手伝ってもらいながら、福山の面白い・格好いい「人」「モノ」「コト」を紹介する、念願の「フリーペーパーSTOREHOUSE」も創刊しました。イベント開催前に告知を兼ねて発刊するとともに、福山の魅力をさらに広く発信する「WEB版STOREHOUSE」も立ち上げました。
 同じころ、福山市主催のリノベーションスクール(街のにぎわいを取り戻すために、遊休不動産を活用した新事業を考える勉強会)に参加し、「STOREHOUSE」イベントに革職人として参加してもらった仲間(現 副キャプテン)と再会したんです。空きビルを下見しながら話をするうちに、「福山はものづくりの街。各分野に優れた人がいるし、特化した企業もあるんだから、それらのフラッグシップモデル(ナンバーワンモデル)を集めた店を作ろう」と意気投合しました。前身となる「STOREHOUSE」の活動をしていなかったら、そして副キャプテンとの再会がなかったら、「THE FLAG SHIPS」プロジェクトは始動しなかったと思います。

教えて先輩!創業でつまずくポイント、乗り越えるコツ その2
リスクヘッジの意識を持ち続ける

オープン直前にアクシデント発生。
あきらめずに新しいルートを探る。

 「THE FLAG SHIPS」というネーミングは早々に決まっていましたが、プロジェクトが本格的に動く前に、リノベーションスクールの同じチームだった何人かが、方向性の違いから抜けていきました。そして半年ぐらい計画が頓挫。再度、副キャプテンに声を掛け、私たちの思いに賛同してくれる新たな運営メンバー(建築デザイナー、ブランディングの専門家など)を集めました。さらに、店に並べる福山発の商品を手掛ける職人・企業にも働き掛けを始めました。
 ところが、空きビルの内装工事が終わり、いよいよオープンという段になって、とんでもないアクシデントが起こったんです。ビル側の建築的な問題で、「この物件での営業は不可能」ということが判明。船は暗礁に乗り上げてしまいました(笑)。でも、せっかくここまでやってきたんだから、オープニングの催しは予定通り進めようということになり、2018年11月11日、1日限定のイベントを開催しました。その時の来場者の一人が、現在の「THE FLAG SHIPS」が入店する、福山駅前の商業施設「アイネスフクヤマ」を管理されている方です。新しいご縁に恵まれ、2019年7月に常設店オープンにこぎ着けました。

 「新規の事業を立ち上げたい」「自分ならではの商売をしてみたい」など、夢を抱く人はたくさんいると思います。しかし、私たちのように予想もしないハプニングがいつ訪れるとも限りません。だからこそ大事なのが、リスクヘッジを欠かさないこと。そして何か問題が起こっても、臨機応変に動くことです。
 仕事が順調にいく最高なパターンと、同時に最悪なパターンを常にイメージし、たとえ座礁しても船を海に戻す方法を素早く探す。これができるかどうかで、事業規模も成長の度合いも変わってきます。夢を実現するために起業する。リスクヘッジを怠らない。私もまだまだですが、この2つを両立できている人は意外と少ないのかもしれません。

教えて先輩!創業でつまずくポイント、乗り越えるコツ その3
創業のタイミングは自分で作る

ベストな時期を待つのではなく、
行動しながらチャンスをつかむ!

 「THE FLAG SHIPS」という店舗の特徴は、商品の作り手と売り手が混在している点です。分かりやすく言うと、出店してくれた11社の職人さんたちには、持ち回りで店番を担当してもらっています。作る側と売る側、両方の気持ちが分からないと、店舗運営はうまくいかないと思うからです。しかも、副キャプテンのように、革職人でありながら、本格的に運営スタッフとして動いているメンバーもいます。
 正直、当初は資金面での不安がありましたが、「資金がないならないなりに、自分たちでアイデアを持ち寄ってやっていこう」という共通の思いが根付きました。今はみんなが同じ方向に進んでいるという手応えがありますし、創業以来、私自身も「しっかり生きている」という充実感をダイレクトに感じています。これが起業の一番の魅力ではないでしょうか。
 事業を起こすという行為の背景には、必ずその人の主義・主張があると思います。周囲に流されず、その芯の部分を手放さずにいたら、「まず自分で動いてみよう」という気持ちが自然に沸き上がってくるはずです。起業のタイミングが来たから一歩踏み出すのではなく、ベストな時期は自分で作り出すもの。その先にきっとチャンスがありますよ。

 今後も新しいチャンスを呼び込み、いろんな仕掛けを試みたいと思っています。既に実現しているのが、「THE FLAG SHIPS」を会場とした体験教室。体験のみならず、「本格的に手に職を付けたい」という人にはマイスター制度(一定期間の講習制度)も用意する予定です。福山のものづくりに興味を持つ人を増やし、次世代の職人が育ちやすい環境を整えたいというのが私の思い。これらの活動が、結果として福山駅前に人を呼び込み、街の活性化につながることも期待しています。
 かつて「福山には何もない」と残念がっていた私ですが、出会った「人」にフォーカスしてみると、個性的で面白い人物がすごく多いと感じます。生まれ育った街の新たな一面を発見した気分です。

会社情報

事業所名 THE FLAG SHIPS
所在地

〒720-0065 広島県福山市東桜町1-1アイネスフクヤマ1F

連絡先

TEL:090-8358-5154

ホームページ https://theflagships.jp
創業 創業2018年11月
従業員数 11名
業種 小売業・サービス業
事業内容

店舗運営、企業ブランディング、商品企画・開発、各種デザイン、イベント企画・運営など

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