美容と健康をテーマとしたヨガ教室で、
人と人の出会いをプロデュース。

  • PROFILE
  • 生まれつき体が弱かったこともあって、健康にはとりわけ強い関心を抱いていた大滝さん。出産後、体調を崩したことがきっかけで、さまざまな健康法を試すうちにヨガと出会い、夫婦でインストラクターの資格を取得する。2016年に広島駅近くにヨガの専用スタジオを開設し、インストラクターの養成も手掛けながら、精力的に活動を展開。またマスメディアで活躍していた元リポーターという経験を生かし、健康と美容に関する講演依頼にも幅広く対応している。

教えて先輩!創業でつまずくポイント、乗り越えるコツ その1
マイナスからのスタートはお客さまにも負担となる。

地道なファンづくりから始め、
我慢の時期も乗り越えた。

代表を務める大滝さやかさんと、会社員として働きながらのダブルワークで教室運営に携わっているご主人の大滝直司さんにお話しを伺いました

大滝さやかさん

 私は、生まれつき体が弱く、消極的なところがありましたが、そんな自分を克服するため、大学時代からモデルやテレビ出演、司会業などの仕事を行っていました。ところが出産後に体調を崩し、再び体調に悩む日々に逆戻り。何とかしなくてはと、いろいろな健康法を試すうちにヨガと出会い、インストラクターの資格を取得したのが創業の始まりです。2016年、広島駅近くに拠点となるヨガスタジオを開設しました。インストラクターとしてレッスンを行いながら、美容と健康アドバイザーとして、法人・学校・公共施設などさまざまな場所で講演活動も行っています。

 教える生徒さんの数は、週に300人ほどです。今でこそ増えたなと思いますが、創業したての頃は生徒さんが全然集まらなくて、よく夫に電話をしては弱音を吐いたものです(笑)。人が集まらないのは自分に問題があるのではないかと、真剣に落ち込んだこともありました。でも、こうした教室運営の世界は、どうしても“我慢の時期”が最初にあるようですね。地道なファンづくりを経て、ある時期を過ぎたら生徒さんも順調に集まるようになり、教室も軌道に乗りはじめました。もしも、これから教室運営を考えている方がいるなら、「我慢の時期に、必要以上に悩まないで」と励ましの言葉を送りたいです。

 それから創業のポイントとしては、やはり資金面ですね。私たちの場合は、とにかくマイナスからのスタートは回避しようと、できることは全部自分でやりました。例えばこのスタジオは以前、理容室でしたが、理容室時代の鏡はそのまま生かして、夫が壁を塗り替えました。コースターなどの備品も私が手づくりしているんですよ。事業を進めていく上で、スタート地点がマイナスだと、どうしてもそのマイナス分を回収することに必死になってしまいます。そうなると知らず知らずのうちに利益優先となり、お客さまに負担をかけてしまいがちです。お客さまのためにも、マイナスからのスタートはできるだけ避けるべきだと思います。

教えて先輩!創業でつまずくポイント、乗り越えるコツ その2
自分の価値を簡単に決めてはいけない。

対価に見合う自分になることが、
ブランディングに不可欠だった。

大滝さやかさん

 苦労したというほどではありませんが、レッスン料の設定に随分迷いました。私も夫も商売っ気がないため、最初はかなり安価な料金を考えていましたが、指導を受けていた「ひろしま産業振興機構」の方から、値段が安すぎるとのアドバイスをいただきました。「料金を安くするのは、人が集まらなかった時でいい。最初から安く設定していたら、経営を見直す必要が出た時に困る」というものでした。本当にその通りですよね。夫とも何となく料金を決めるのではなく、まずどういう人に来てほしいかを考えるべきだと話し合いました。後から思えば、明確なターゲット設定は創業に必要なことですが、実際に自分がその場に立つと意外とできないんですよね。

大滝直司さん

 こちらが1円でいいと思えば、1円のレッスンがいいと思う人が集まってきますし、1万円に設定するなら、1万円に見合う自分にならなければなりません。それが本当のブランディングなのに、最初はそこに気付いていませんでした。しかも、レッスン料は「自分の価値」だとしても、自分の価値は主観で決められないのです。お客さまによって決められるものですので、客観的な視点を借りて、慎重に見極めるべきですね。自分の価値がしっかりしていれば、たとえ近隣に大手チェーンのヨガ教室ができても、競争に巻き込まれずにすみます。

大滝さやかさん

 他のヨガ教室との差別化については、インストラクターを雇用した頃から強く意識しはじめました。現在、私どもではインストラクターも育成しており、一部のレッスンを任せています。しかし、それぞれに好きに指導してもらうと、ブランディングして育ててきた良さが失われ、どこにでもあるヨガ教室になってしまうのです。そこで定期的に勉強会を開き、この教室ならではの良さを理解し、共感してもらうように努めています。ポイントの一つは、生徒さんに寄り添った分かりやすい指導ですね。体の動きは一人一人異なりますので、それぞれに合わせた内容で分かりやすく伝えないと、高い満足感は得られないからです。その他にも、メンズ・ヨガや顔ヨガといった珍しいレッスン・メニューも用意し、他にはない体験を得られるように工夫しています。

教えて先輩!創業でつまずくポイント、乗り越えるコツ その3
サービスは常に情報とセットで提供する。

9割がやめていく習い事の世界で、
高い継続率維持していく。

大滝さやかさん

 差別化もですが、この教室の特徴は、人と人のつながりがとても強いことですね。私としてはそれが一番の強みと感じています。大きな教室になると、よく知らないインストラクターのもとで、見知らぬ誰かとレッスンするのが普通です。その点、私たちの教室なら、みんなが顔見知りという安心感があります。インストラクターが一人一人の成長を把握していますので、ちゃんと結果も付いてきます。その信頼関係が、継続率の高さに反映されていると思います。習い事の業界では、約9割の生徒さんが継続せずにやめていくと言われていますが、私たちの教室では、逆に9割の方に継続していただいています。やめられる場合も、転勤などのやむをえない理由が多いのです。これは、私のちょっとした自慢なんですよ(笑)。
 もちろん継続率を高めるには、人間関係だけでは不十分で、飽きさせない工夫も必要です。私どもが心掛けているのは、常に情報とセットでサービスを提供することです。美容と健康に関する情報を常にアップデートしながら、レッスン+情報、物販+情報といった具合に、生徒さんに役立つモノ・コトをお届けしています。例えば夫は、メンズ・ヨガのインストラクターであり、現役サラリーマンでもありますが、働く人ならではの腰痛や肩こりの悩みを理解し、その改善に役立つレッスンを行っています。メンズ・ヨガのクラスには、「医療とは別の視点から、体のことをもっと知りたい」というお医者さまもいらっしゃいます。そんな専門の方とも交流でき、私たちなりの情報を提供できるのは本当にうれしいことですね。

大滝直司さん

 私は、いわゆるダブルワークで教室運営に参加していますが、そのメリットは「会社とまったく異なる人に出会えること」だと思います。会社でも、食を通じて健康に貢献する仕事をしていますが、違った角度から健康にアプローチできるのが新鮮ですね。相乗効果も生まれるのではないでしょうか。

大滝さやかさん

 私は、人は人によって磨かれると思っていますが、たくさんの出会いをもたらす教室運営は、私たち夫婦にとって本当に喜びの多い仕事だと感謝しています。これからもたくさんの人とつながり、皆さんと共に喜びを共有していきたいですね。

会社情報

事業所名 美容と健康ヨガ教室
所在地 〒732-0053 広島市東区若草町7-7
連絡先 TEL:082-215-0269
ホームページ https://yogahiroshima.com
創業 創業2016年1月
従業員数 2名
業種 その他サービス
事業内容 「美容と健康ヨガ教室広島」の運営、「美容と健康アドバイザー」としての講演活動。

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