“やらずに後悔したくない!”
背中を押したのはそんな思い。

  • PROFILE
  • 大手自動車メーカーでエンジニアとして10年間勤務した後、茨城県の自動車販売会社に出向。自身初の営業職を経験する。再び広島に戻ってきた時、一大決心をして税理士の道を志すことを決意。現在は“会社設立・国際税務に強い税理士”として、クライアント企業の末席を担うつもりで、経営・経理をフルサポートしている。

教えて先輩!創業でつまずくポイント、乗り越えるコツ その1
マイナスの未来予測をうのみにせず、チャンスに変える。

税理士は過去を整理するのではなく、
お客さまの未来を考える仕事。

 会社員時代、これから管理職になるだろうという時期に、自分はこのままでよいのかという迷いが芽生え、当時興味を抱いていた税理士の道を志そうと思ったのが、創業の始まりです。それまでは自動車メーカーで技術系の仕事に携わり、市場を知るという名目で営業も経験させてもらったのですが、決意後は会社を辞めて猛勉強を開始。資格を取得し、税理士事務所で経験を積んだ後、自分自身で開業しました。
 独立後、1年ほどは自宅で仕事をしていたのですが、あっという間に資料が山のように増えはじめ、これはいかん(笑)ということで、当時オープンしたばかりのシェアオフィス「port.inc」へ入居しました。ここには多彩な業種の人が集まっていて、若い創業者に囲まれてたくさん刺激をもらい、結果的に大正解でしたね。日中はお客さまのもとへ出掛けることも多いので、施設の事務局が電話の取り次ぎや、郵便の受け取りや発送などを代行してくれるのもすごく助かりました。一人で事業をスタートさせて間もない自分には、こうしたサービスを利用できる施設はとてもありがたかったです。
 業務そのものに関してご紹介すると、昨今は会計ソフトなどの普及に伴い、税理士業務は差別化を図る必要があるといわれています。私も創業当初から「会社設立」と「国際税務」を自分の強みとして大きく打ち出してきました。AIの出現で税理士の未来を心配される方もいますが、私個人は決してそんなことはないと考えています。というのも、税理士は過去の帳簿の整理をするわけではなく、お客さまの未来について共に考える仕事だと思っているからです。お仕事をいただいている以上、私は会社の末席を担うような気持ちで、経営のお手伝いをさせていただいています。経営に悩み、迷いを抱えるお客さまにとって、頼もしいパートナーとなることは、決してAIに取って代わられる仕事ではありません。人間だからこそ、税理士だからこそ、できることがあると信じて、お客さまと一緒に会社の未来について考えを巡らせています。

教えて先輩!創業でつまずくポイント、乗り越えるコツ その2
業務が許容量を超えてから人を雇っていては遅い。

人を雇えば会社の「風土」が生まれる。
これからどう展開するかが創業の楽しみ!

 顧客の確保に関しては、前職から引き継いだお客さまがいらしたので、ゼロからのスタートではありませんでした。他の士業の方たちが集う「士業交流会」にも顔を出していますので、その関係からお客さまを紹介していただくこともあります。port.incに入居したことで知り合った創業者仲間の中にも、お客さまになってくださった方がいました。
 顧客の獲得は、持っているネットワークを最大限に生かすことに限ると思います。それは何も専門分野に限ったことではありません。税理士という仕事柄、お客さまからいろいろなことを相談されますが、たとえ専門外の内容でも、広くネットワークをつなげていれば、お仕事を紹介するなどの対応を行えます。紹介したり紹介されたりしながら、人脈の輪を広げていけば、自然と自分自身のビジネスも拡大していくので、創業者にとって人との出会いは大切な財産といえますね。
 顧客獲得に苦労はしなかったものの唯一後悔していることは、仕事量の増加に伴い、人を雇うタイミングを読み違えてしまったことです。「もう少し早く採用しておけばよかったな」と悔やんでいます。自分一人の税理士事務所にするか、何人かの人が働く事務所にするか決めかねていたので、なかなか採用に踏み切れませんでした。近々、新しい事務所に移転して、それと同時に人を採用する予定です(2017年12月取材時)。せっかくなら、自分の許容量が100パーセントを超える前に雇用しておけば、余裕を持って業務を引き継げたと思います。経験を踏まえた上でアドバイスすると、人を雇うタイミングは自分の許容量が80%程度ぐらいの時です。
 これから人が増えれば、会社らしくなるでしょう。会社の中に二人、三人と人が増えて「風土」が芽生える過程を見守れるのも、創業者にしか味わえない喜びの一つだと思っています。私としては、今からそれが楽しみで仕方ありません。

教えて先輩!創業でつまずくポイント、乗り越えるコツ その3
経営計画なき事業は、大海をさすらう小舟と一緒。

事業計画を立ててもそうはならない。
しかし考えなくていいわけではない。

移転前のオフィスの様子 移転前のオフィスの様子

 会社設立を得意としているので、税理士としてさまざまな創業のケースを見てきましたが、意外と無計画な経営者の方がたくさんいらっしゃいます。「しっかりとした経営計画を立てましょうね」と進言しても、そうした経営者の多くは、「どうせ計画どおりにいかないから」と言われます。でも私からすると、計画どおりにいかないのは当たり前! 計画を立てることをやめてしまったら、経営について考える機会までなくしてしまうことになります。
 私はヨットを趣味としているので、よく船にたとえますが、航海計画を立てずに出港することは、ただ海の上を漂っているのと同じことです。どこへ行くのか、どこにいるのかも分からないままでは不安で仕方ありません。経営も全く同じです。自分たちがどういった状況にあるのかを把握できなければ、目標を立てることはできません。経営者となった皆さんには、数字を管理することの重要性をもっと自覚してほしいですね。もちろん、一人で抱え込む必要はありません。私どものようなプロの手を借りながら、無理のない範囲で管理していけばいいと思います。
 税理士の道に進む際、私はかなり悩んで決断しました。しかし、やらずに後悔する人生より、挑戦して納得する人生の方がずっといいと考え、創業という選択肢を選びました。やる人はやるけど、やらない人はやらないままです。心に引っ掛かっているものがあるなら、思い切って挑戦してみることをお勧めします。たとえ経営に難しさを感じても、私たち税理士のように、一緒に未来を考えてくれるパートナーは必ずいます。勇気を持って挑戦してください。

会社情報

事業所名 松本裕之税理士事務所
所在地

〒730-0851 広島市中区榎町6-3 第3中野ビル3階(2017年1月1日移転)

連絡先

TEL :082-208-2923

ホームページ http://matsu-tax.jp/
創業 2013年7月
従業員数 2名
業種 専門サービス
事業内容

会社設立、起業支援、銀行融資獲得支援、補助金申請支援、クラウド会計導入支援、経営計画書作成支援、国際税務・海外進出支援

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