「創業」は孤独じゃない。
誰かとつながる喜びが待っている。

  • PROFILE
  • 14年間のOL経験を経て、フリーランスの司会者として活動。2012年にブライダル講師・司会者として創業。大学の課外授業などを担当するうち、ヒューマンスキルとしてのマナーの重要性に目覚め、活躍の場をマナー講師の分野に拡大。現在は企業向けの研修をはじめ、女性のための自分磨きセミナーなど、さまざまな場で思いやりの心を表現するマナーの大切さを伝えている。

教えて先輩!創業でつまずくポイント、乗り越えるコツ その1
独自のブランディング&ターゲット選定で差別化を図る。

「大人の共育」と称するマナー講習が好評!
さらなる成長を求めて、法人化も模索中。

 私の場合、OLとして働きながらブライダル司会者を養成するスクールに通っていました。その後もOLとして働いていましたが、スクールから5年後にOLを辞め、フリーランスの司会者としてスタートしました。しかし、ブライダルやイベントの司会だけでは、ビジネスはなかなか広がっていきません。今後はどう展開していこうかと思い悩んでいる時、大学の課外授業で学生に教える機会に恵まれました。学生たちと接していると、自然と自分も人づくりにつながる仕事、もっと人間的な部分に触れる仕事をしたいと考えるようになり、ヒューマンスキルを磨く“マナー講師”という道にたどり着きました。現在は企業さまや福祉施設などの新人研修、接客・接遇研修をはじめ、女性を対象としてブラッシュアップセミナー、さらにはブライダル業界で培った経験を生かして、新郎新婦を対象としたブライダルマナーのセミナーやウェディングプランナーの養成などにも携わっています。
 創業する際、私が最も気になっていたのは、「どうしたら、自分の仕事に共感していただけるお客さまを増やせるか」ということでした。この業界では、所属する協会からお仕事をもらうこともあるのですが、ほぼ大手が市場を独占している状況です。私としては単なるマナー研修ではなく、思いやりの心に支えられた、自分の魅力を最大限に表現するマナーを教えたいと考えていたので、大手との違いをどう打ち出し、集客へつなげていけばよいのか悩みました。その結果、企業等のマナー研修を請け負う一方で、女性にターゲットを絞り、共に学び、人とつながる幸福感を実感できる、「大人の共育」と称する小規模のレッスン講座を開催するようになりました。おかげで、私が伝えたいマナーがどんなものなのか、少しずつクチコミで広まり、お客さまのご縁も徐々に広がっていきました。今後は事業を法人化し、同じ志を持つ仲間を募り、より多くの方へマナーの重要性を発信できるような、掛け算のビジネスを展開していきたいと考えています。

教えて先輩!創業でつまずくポイント、乗り越えるコツ その2
他事業者とのコラボは互いの意向をしっかり確認する。

「経営」を意識しないと継続できない。
それがビジネスの厳しさでもある。

 正直言って、創業にはかなりのエネルギーが必要です。自分がやろうとしていることに熱い思いがないことには、“会社員”という安定した地位を捨ててまで、事業を起こす気にはなれないですから。でも、その熱い思いを成果に結び付けるには、ビジネスをしっかり継続していかなければならない。そこには熱い思いだけでは乗り切れない、「経営」という課題が横たわっています。だからこそ創業してからは、「経営者の目」を持つことが何よりも大事だと感じています。私もビジネスを継続していくため、経営面でいろいろ挑戦しましたが、振り返ると「あれは失敗したな」と思うこともたくさんありました。
 例えば、創業してしばらくした頃、メイクやカラーコーディネイトの先生とコラボして、互いのお客さまをシェアする形で、Win−Winとなる関係を築こうとしたのですが、結局うまくいきませんでした。よく考えないまま、勢いで走りだしてしまったと反省しています。他事業者とコラボする際は、事前にそれぞれがどうしたいかを細かく話し合っておくことが大切だと実感しました。
 また、お付き合いなどの関係から、少しでも効果があればと、月々の広告費を払って車内広告を出したのですが、それを見て問い合わせてこられるお客さまは月に一人いるか、いないかといった程度でした。費用対効果から見ると、残念ながら無駄な出費に終わってしまいました。
 さらに言うとホームページに関しても、依頼先をあまり吟味せず、立ち上げてしまったことに、少し後悔しています。私がお願いしたところでは、けっこう月々のランニングコストがかかってしまうのですが、すでにお客さまに認知していただいているため、安易にホームページを作り変えることもできません。HPを立ち上げる際は、将来のコストも考えて、よくリサーチした上で、納得のいく業者さんに依頼した方がよいかもしれません。

教えて先輩!創業でつまずくポイント、乗り越えるコツ その3
イベント出店で満足するのではなく、次は創業する努力を!

楽しいだけで終わるともったいない。
創業するのなら、上を目指そう。

 フリーランスとして活動し始めてから現在に至るまで15年になりますが、ずっと個人でやっていると、どうしても仕事に対するモチベーションが落ちてきます。モチベーションを落とさないためには、とにかく同じ目標を持った仲間を見つけることが大切です。私の場合は、3年前に起業家向けシェアオフィスに入居することで、悩みを共有し、刺激をもらえる創業仲間と出会うことができました。
 最近では、いろいろなスキルを身に付けた女性たちが、仲間と一緒にイベントや地域のマルシェ(産直市場)などに出店して、ハンドメイドの雑貨や食品を販売したり、ネイルやアロママッサージといった美容サービスを知人に提供したりというケースが増えています。そうした活動も創業への立派な第一歩だと思いますが、せっかくならもう一段上って、ビジネスとして成立させるといいですよね。
 もちろん、楽しさを追求するだけなら、あえてビジネスに発展させる必要はありません。でも創業して経営者になれば、自分の想像をはるかに超えて、より多くの人とつながれます。それはお客さまだったり、同じような夢を持つ創業仲間だったり、いろいろです。自分がアクションを起こしさえすれば、さまざまな出会いに恵まれ、それらが人生を豊かに彩ってくれる。そうした創業の喜びをより多くの方と共有するためにも、私は一人でも多くの方が創業者の道を選んでくれたらいいなと考えています。
 創業するということは、決して孤独なビジネスの道を選ぶということではありません。むしろ自分の手で、人と人のつながりを結んでいく喜びにあふれている、そう私自身は確信しています。これから創業される皆さんにも、いろいろな方との絆を深めていっていただきたいと願っています。

会社情報

事業所名 アンフリージェ
所在地 〒730-0803 広島市中区広瀬北町3-11 ソアラビジネスポート内
連絡先 TEL :090-7135-6527
ホームページ https://annfreege.com/
創業 2012年9月
従業員数
業種 その他サービス
事業内容 接遇マナー・講師養成、ビジネスマナー研修、テーブルマナーセミナー他ブライダル関連など。

ページトップへ戻る