“もう一度お客さまと向き合いたい!”
思いが芽生えた時が、創業の機会。

  • PROFILE
  • 地元IT企業で取締役を勤めていた金子さんが創業したのは2014年のこと。定年まで10年を切った51歳でのスタートだった。創業と同時に開発された画像共有システムは、大手IT企業のバックアップもあり、パートナー企業を通じて、全国で販売を開始。現在までに8社への納品が決まり、他にも約50社が見積もりを検討中だという。

ひろしまの創業のポイントひろしまでの創業のポイント

長年の経験と人脈をベースに、51歳で独立を決意。

新たな人脈づくりが、創業後の大事なポイントになる。

地元の呉市から、全国にビジネスを発信していきたい。

これが最後のタイミング。
51歳で訪れた、人生の転機。

 昭和58年に地元のIT企業に就職して30年、10年目からは管理職で、最終的には取締役まで経験させてもらいました。役職が上がるほど、お客さまと会話する機会が減少し、その代わり予算管理や部下育成、会社運営、社長特命事項など、社内に係る仕事が増えていきました。仕方がないとは理解しつつも、内心では仕事に対する達成感が薄れてきたのも事実でした。お客さまに喜んでいただけるシステムを提案し、その反応に一喜一憂していた頃がだんだんと懐かしく感じられたのです。退職時は51歳でしたが、当時は「独立するなら今が最後のタイミングだ」と考え、思い切って創業の道を選びました。とはいっても、家族や周りの人たちには「なんで今?もったいない!」と言われました(笑)。
 会社の中にいると、自分がやりたいプロジェクトと出合っても、実際にプロジェクトを始動させるには、それなりの段取りが必要となり、スピーディーに物事を進めていくことができません。一方、創業すれば、判断を下すのもプロジェクトを進めるのも自分次第です。「これは見込みがある!」と思ったら即アクションを起こせるところに、創業する魅力があると感じました。最終的には家族の理解も得られ、今では経理面をサポートしてくれています。

今まで築いた「人脈」は創業時の財産。
ビジネスチャンスも出会いの中に。

 現在、当社の主力商品は「Smiss(エスミス)」と名付けた画像共有システムです。これはビデオカメラなどの各種撮影機材の代わりに、より手軽に扱えるスマートフォンを使って、安価に画像を共有できる画期的なシステムです。すでに災害時の状況把握やインフラ設備の保守作業などに使われており、全国60社の販売パートナーを通じて、さらなる販売エリア拡大に力を注いでいるところです。
 同製品の販売促進で欠かせない“新たな人脈づくり”は、創業後に最も苦労したポイントでした。「Smiss」はシンプルな分、使う人のアイデア次第で利用の幅もいろいろ広がる、可能性に満ちたシステムです。しかし多くの人に知ってもらわないことには、その可能性も未開拓のまま……。そこで、会社に勤めていた頃に築いたネットワークを足掛かりに、少しずつ人脈を広げていきました。
 そんな中、ある大手IT企業が「Smiss」を高く評価してくださり、同社が主催するITフォーラムに参加することになりました。そこから一気にビジネスの輪が広がり、販売パートナーの発掘につながったというわけです。
 もともと「Smiss」は、会社時代に親交のあった企業との共同開発なのですが、開発においても販売においても、私は「つくづく人との出会いに恵まれたな」と感謝しています。新しくビジネスを始める上で、やはり人の絆は大切な財産ですね。

社名に込めた、創業への思い。
地元・呉から、日本中を元気にしたい!

 私は生まれも育ちも広島県呉市です。社名の「クレシア」には、呉(クレ)から弊社に関わる方すべて(お客さまやパートナー企業、そして社員)に、幸せ(シア)を届けたいという意味を込めました。販売活動で全国を飛び回って気付いたことですが、気候も穏やかで土地柄ものんびりした広島は、本当に住みやすくいい所なのです。これからも地元にこだわって、この広島から全国のお客さまに喜んでいただける面白いビジネスを発信していきたいと考えています。そうした活動が少しでも地域貢献につながれば、うれしい限りです。
 最後にこれから創業される方にお伝えしたいのは、会社を続けていく上で利益確保は大切ですが、決してそれだけではないということです。本当の意味で地域やお客さまに受け入れてもらうには、まずお客さまに喜んでいただくことを忘れず、いい仲間をつくり、働く喜びを共有することが大切です。
 どんな事業を展開するにしても、自分が思い描いたとおりに、すぐ成果が出るとは限りません。必ず「産みの苦しみ」が伴うものです。とにかく自分を信じて焦らず、辛抱強く乗り越えてください。もちろん、苦しみに耐えるだけではいけません。「商品サービスに問題はないのか」「市場の見極めに間違いはないか」といった検証を絶えず繰り返し、場合によっては軌道修正することも必要です。道が開けるまで、諦めず事業を継続してほしいと思います。

会社情報

事業所名 株式会社クレシア
所在地 〒737-0111 呉市広大広2-1-27-102
連絡先 TEL・FAX : 0823-74-0547
ホームページ http://www.kuresia.com/
創業 2014年2月
従業員数 0人(取締役3名)
業種 情報サービス業
事業内容 ・ソリューションサービス(パッケージ販売、システム構築など)
・ソフトウェア開発サービス
・コンサルテーションサービス
・アウトソーシングサービス(クラウドサービス)

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