創業した事業の内容（新規性・独自性）など

当社は、ひきこもりや就労経験が乏しく社会的に孤立されている方の就職を支援しています。ひきこもりの方には、将来的には就労を目指したいものの、生活面に課題があるため就労に向けた訓練を受けることができない人がいます。当社は、このような方々に就労機会を創造すべく、自立訓練から始めて、就労訓練も行ないます。また、企業に在籍しながら休職しているメンタルヘルス不調者の復職・再就職（リワーク）を支援します。利用者が抱える課題はさまざまで、個別性の高い課題解決に向けた個別プログラムとバリエーションに富んだ集団プログラムを提供しています。この個別支援と集団支援を品質高く両立させることも当社の独創性の高さにつながっていると自負しています。スタッフの多様なバックグラウンドと強みを生かした支援とチームワークによって両立できています。
さらに、国内初の民間主催による精神障害に特化した企業表彰制度「精神障害のためのダイバーシティ・マネジメントセレクション（SDMS）」という表彰事業に取り組んでいます。SDMSは、精神障害者雇用に取組む企業（広島県内）を表彰する新たな制度として、２０２０年度に第１回を開催しました。SDMSの目的は、難しいと言われる精神障害者雇用の取組みの表彰に特化することで好事例をわかりやすく他の企業に周知させることと、精神障害者を取り巻くさまざまな主体（精神科医、福祉、家族、企業）をつなぐネットワークを作ることです。第２回以降も継続して、精神障害の雇用創出に取組み、誰もがいきいきと働くことができる未来社会の実現に貢献したいと考えています。

創業して良かった点・苦労した点など

（良かった点）
自立訓練事業では、利用者や家族の喜びや笑顔を見ることができました。利用者を取り巻く主体（医師、福祉、家族、企業）と連携することで、利用者支援の質が上がっていくことも感じました。表彰事業では、利用者を取り巻く主体から感謝されました。会社としては、多様性のある人材（年代は20代～60代、医療経験者・介護経験者・就労系障害者支援経験者、障害児支援経験者・生活困窮者支援経験者・民間企業経験者）によるチームワークが利用者へのサービス品質向上につながっていると感じました。私個人としては、大企業の会社員から中小企業経営者になったことで、地域性の高い仕事にやりがいを感じ、経営することにビジネスの醍醐味を感じています。

（苦労した点）
自立訓練事業では、多様なバックグラウンドを持つ職員のチームワークづくりに苦戦しました。また、地縁がなく異業種からの新規参入者である私が経営者として地域性の理解、人間関係作りにも苦戦しました。表彰事業では、精神障害にある社会のスティグマ（偏見）や企業に認知される表彰制度を作ることに苦労しました。私個人としては、大企業の安定した収入や福利厚生を捨てたため、家族（妻、子２人）を養っていく不安に打ち勝つことが大変でした。これらの苦労は、HBMSやSDMSなどさまざまな形で支えていただく方のおかげで克服できています。この感謝の気持ちを恩返しできるように今後もがんばります。

その他

私が表彰されることによって、精神障害者やひきこもりなど社会的な偏見によって孤立してしまっている人たちがいるという問題と問題解決に取り組む医療・福祉・家族・企業がいることに、多くの方に関心を持っていただきたいです。障害者を取り巻く主体（医療・福祉・家族・企業）のつながり作りの後押しを得ることで、多くの人が生き生きと働く社会づくりにつながることを期待します。
また、私のように地域に地縁がなく、専門的なスキルがない大企業の会社員でも広島であれば起業にチャレンジできることを伝えることで、広島県における新事業創出に取り組む人材を増やしていくことに貢献できればと考えています。

会社情報