広島県出身。高校卒業後のアメリカ留学中に世界各地を放浪し、人生に迷っていた時に岡倉天心の『茶の本』に出逢い、お茶の魅力に取りつかれました。大学を卒業後は、京都の老舗茶舗に入社しました。その後、お茶の栽培・製造すべてに関わりたくなり鹿児島県の製茶工場に入社し、約30ヘクタールの茶畑でオーガニック茶の栽培管理、製茶に携わりました。更に、長野の自然農法国際開発研究センターで自然農法を、奈良の自然農園でも自然農法のお茶づくりを学びました。
2016年に「TEA FACTORY GEN」を立上げ、尾道の古民家を拠点に茶畑を探して歩き、広島の隠れた茶処である世羅にたどり着き、20アールの茶畑を借り受けました。ここで、化学肥料も農薬も一切使用しないお茶を栽培し、手摘み・手炒りのお茶の製造からはじめました。(今は機械でも製茶しています)
世羅町の茶畑を再生し、栽培、管理、製造、販売を実施しています。茶葉は農家からの仕入れも含め、農薬は一切使用しておらず、自社工場で蒸して、揉み、焙煎しオーガニック茶としてブランド力を高めた販売方法でお茶の製造・販売事業を実現しています。
また、尾道市内の路地裏において、以前漁師の古民家をリノベーションし、お茶の専門店「ティースタンドゲン」を開業しました。店内では世羅で栽培した茶葉を使ったお茶を楽しむことができるカウンターと、テイクアウトのカップでのお茶やオリジナルのお土産の販売も実施しています。
(新規性・独自性)
一般的なお茶の産地では、広大な茶畑に大量の肥料と農薬を使い、一年間に4回程度機械で摘み取るお茶で、これに比べると、ティーファクトリーゲンの、年に2回しか摘まないお茶は(木に栄養が行き届くスパンを長く保つ)別物と考えています。そのため、大量生産のお茶と比べて、一部手摘みで製造方法も手揉み、(今現在90パーセントは機械10パーセント手摘み、手揉みです)その時々の茶葉の成熟度合いを見極めながら判断し、ていねいに製造したお茶は値段的にも割高になっています。
また、これまでのお茶の販売業界では、「農家」、「問屋」、「小売店」という枠を越え、お茶を栽培、製造、仕入れ、ブレンド、焙煎、販売、更には海外でのワークショップまで全ての工程に関わることで、消費者と距離の近い、新しいスタイルのお茶ビジネスとして展開しています。
(良かった点)
誰から指示を受けることもなく、何事も主体的に動くことで、より自分自身の人生でワクワクすることが多くなりました。元来、人から言われたことをただ実行することがとても苦手で、時間を切り売りする生活が合っていなかったため、創業したことは人生の中でも最良の選択だったと思っています。
(苦労した点)
創業したら何ものにも縛られることはありませんが、時間の使い方やどこにどのくらいのパワーを使うかの優先順位や判断がとても難しかったです。何から何までやろうとするとパンクしてしまい、売り上げを立てる事も一苦労でした。ただ、ものを作って売るだけでなく、その商品をいかに丁寧に説明してわかってもらえるか、その一手間がとても大変だと感じました。そしてそれらを継続していくことがもっとも大事ですが、継続もとても大変で、今思えば毎日苦労する日々を送っています。
お茶は文化的にも茶葉自体も海外で需要がとても増えていますし、今後伸びていく分野だと思っています。私たちは広島の個性的なお茶を増やしていきどんどん国内外にアピールしていきたいです。
公益財団法人 ひろしま産業振興機構(支援内容:事業計画策定、助成制度紹介、経営相談、販路開拓、経理・税務・労務・法務)
事業所名 | TEA FACTORY GEN |
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所在地 | 〒722-0035 尾道市土堂1-14-10 |
連絡先 | TEL : 0848-88-9188 |
ホームページ | http://tea-factory-gen.com |
創業 | 2017年9月 |
従業員数 | 4名 |