セルフビルドの経験を生かして、
お客さま目線の店舗・住まいをつくる。

  • PROFILE
  • 広島県福山市生まれ。地元の高校を卒業後、大阪の専門学校でインテリアデザインを学ぶ。会社勤務、インド単身旅行などを経て帰広。実家の内装工事業に携わりながら、自分が住むためのログハウス建築をスタート。これをきっかけに、「プラモデルみたいな家づくりを体験できる会社」をコンセプトにした、1/1スケール株式会社を2010年に設立。現在は店舗リノベーションを中心に、家具・雑貨・看板の製作などを幅広く手掛けている。生きる上でのテーマは依存しないこと。「自分で作る」という行為は、そのテーマの要の部分。

教えて先輩!創業でつまずくポイント、乗り越えるコツ その1
新しいネットワークを構築し、存在を大アピール!

SNSはコストが掛からない宣伝広告。
人脈づくりのために最大限に活用する。

 昔から何でも作ってみるのが好きで、特にプラモデルには夢中になりました。その延長線上のような感じで、「自分が住むログハウスを建てたい」と思いはじめたのが2000年頃です。当時、実家の内装業を継いでいたので、作業は休日が中心。書籍やインターネットで情報を集め、道具を一つ一つ揃えて、2年半ぐらいかけてセルフビルドの家を完成させました。この時の楽しかった経験が、創業の起点になりました。
 「家づくり」と耳にすると、「難しそう」「プロの仕事」などのイメージを持たれるかもしれません。でもログハウスは意外と簡単。言わば大きなプラモデルみたいなもので、材料一式を取り寄せて、マニュアル通りに組み立てていけば、素人でも建築は可能です。
 私と同じように「自分の家を自分で作ってみたい」というニーズはきっとあるはず。そんな人をサポートしよう!という思いから、キット化したコンパクトな家「プラモハウス」のネット販売事業を2010年に1人で立ち上げました。ただ、材料となる木材は反りや狂いが生じやすく、クレームにつながる可能性もあります。そこで途中から、現場を福山市内に絞り、お客さまに直接対応しながら施工するという方針に切り替えました。

 もちろん、事業がすぐに軌道に乗ったわけではありません。内装業を辞めて起業したので、もともと顧客だった工務店や設計事務所などはライバルになり、それまでの人脈は全く使えなくなりました。また扱う商材も変わったので、懇意にしていた仕入先もどんどん離れていきました。収入はほとんどなく、準備資金を切り崩して生活する毎日。ただ、そんな時だからこそ、Facebookを使った仲間集め・情報発信には力を入れました。友人・知人はもちろん、「福山市」で検索してヒットする人たちみんなに友達申請して(かなり拒絶されましたが)、市内全体にネットワークを広げていきました。

教えて先輩!創業でつまずくポイント、乗り越えるコツ その2
事業の柱となるものを早めに見極める

「自分だからできること」を見直したら、
ビジネススタイルや提案先が明確になった。

 暮らしに関わるさまざまなものを手作りしてFacebookにアップし、反響が良いものを商品化するという流れができ、次第にSNS上での知り合いが増えました。しかし、実際に人と会うチャンスは少なかったので、自宅の敷地を開放し、フリーマーケット会場にしたり、ダッチオーブンでローストチキンを焼いたりというイベントを開催しました。当時、このようなイベントはまだ珍しく、毎回300人ぐらいの集客がありました。でも、なかなか仕事の受注にはつながらない。あらためて「自分は何を提供できるんだろう?」と模索するようになりました。
 私はそれなりに何でも作るので、周りの人から重宝がられるし、そのこと自体はうれしかったのですが、ある時「池田さんは一体、何屋さんなんですか?」と聞かれてしまいました。今考えれば、「何でも屋」は「何もできない屋」と一緒。当時は自分の強み・提供できるものがぼんやりしたままで、とにかく人脈を広げること、作れるものは全部作ることに力を注いでいたのだと思います。
 その数年後、2014年ごろに友人から「新しいスタイルのカフェオープンに向けて、100平方メートルぐらいの店舗作りを一から手伝ってほしい」という依頼が入りました。店のコンセプトを決め、それを内外装や家具・雑貨などにどのように反映するかを、一緒に考えるところからスタートしました。そして施工を進めるうちに、やっと自分の顧客ターゲットとサービスの強みが見えてきたのです。
 それまでは「DIY好きな人」がお客さまと思い込んでいましたが、私のサービスの対象は「DIY好きだけど技術に自信がない人」であり、そんな人と同じ目線に立ち、味わいを生む自然素材を使ったものづくりを一緒に進めていくことが、武器になると気付いたのです。自分らしいビジネススタイルが定まり、手掛けたカフェリノベーションの反響もあって、次第に紹介や口コミで安定的に仕事が舞い込むようになりました。

教えて先輩!創業でつまずくポイント、乗り越えるコツ その3
なぜ創業するのか、もう一度振り返ろう

「やりたかったこと」を仕事にすると、
毎日が楽しくて有意義なものになる。

 「創業してみよう」と考える人たちのスタイルはさまざまで、やりたいことが明確に決まっている人や、自分の技術力が商品・サービスになる人など、いろいろなパターンがあると思います。前者の場合は、やりたいことをとことん追求し、それを誰が欲しているのか、どうしたら利益を得られるのかを早めに見極めてもらいたいです。後者の場合は、仮にそこまで執着がなくても、自分の技術を信じてそれを磨き、起業の道へ突き進んでほしいと思います。
 これらとは別に、「今の仕事がイヤだから起業してみよう」という方は、辞めることをお勧めします(笑)。他の人たちとは異なる強みがないと事業は失敗しますし、起業するのは簡単でも継続して運営していくことはとても難しいからです。
 私自身は、まだまだ「やりたいこと」をたくさん抱えています。各現場の仕事は今まで通り、自分を中心に左官や大工など、フリーの職人さんの協力を仰ぎながら進めていきます。会社としては、作業場が手狭になったこともあり、近々ショールーム兼工房を郊外に建築したいと思っています。誰でも気軽に足を運んで、手作り空間でくつろいでもらえるように、カフェも併設する予定です。
 同時にものづくりにおいて、まだ自分ができないこと、分からない分野の技術をどんどん覚えていきたい。つい最近、溶接のスキルを身に付けたのですが、おかげで表現の幅がいっそう広がり、あらためて作ることの楽しさ・奥深さを実感しています。「また一つ、自分の技・アイテムが増えた」という満足感も大きいです。
 やりたいことを仕事にすると、それがもともと趣味だったという概念がなくなり、毎日がとても楽しいですよ。創業以来、失敗や迷いもありましたが、「自分で作ること」は私の生き方そのもの。だから、選んだ道を進んで良かったと思っています。

会社情報

事業所名 1/1スケール株式会社
所在地

〒720-2124 広島県福山市神辺町川南941-5

連絡先

TEL:084-963-2789

ホームページ http://1bunno1scale.com
創業 創業2010年
従業員数 1名
業種 建築業
事業内容

店舗リノベーション、住宅用ログハウスの製作、家具・雑貨製作、ロゴマークデザイン・製作、DIYサポートなど

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