プレスターターズ

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プレスターターズ 〜創業直前の人々〜

 今まさに創業しようとしている、創業には至っていないけれど創業に向けて進んでいる、勤めながら創業を準備している、そんな「プレ創業」の方々にお話を聞いてきました。

金子 仁美さん
金子 仁美さん

小学校で子ども達の授業のサポートをする仕事をしながら、週末はイベントや雑貨屋で手作りの焼菓子を販売。生まれ育った吉田町で、カフェを併設したお菓子の製造販売のお店のオープンを目指しています。

安芸高田市吉田町在住、29歳
現在の職業:教育介助員

高齢化の進む町で、「お菓子」を通じて世代を越えた交流の場をつくりたい。

教員への道を諦めた時、自分には目指すものが何もなかった。

学生時代から教員を目指していましたが、採用試験には受からなかったので非常勤で働いていました。でも体調を崩して辞めることになってしまったとき、ふと気づいたんです。
教員しか目指してこなかったから、私には目指すものが他に何もないなって。
そのころは、お菓子作りは一切していなかったし、お菓子を作ろうなんて考えてもいませんでした。
目指すものを見つけられないまま、一般企業で働き始めて、空いた時間で料理をするようになりましたが、お菓子作りはただその延長線上にあっただけでした。

お菓子には“癒し”の力がある。

最初は家族と自分のために作っていたお菓子でしたが、職場でみんなに配ったら思った以上に喜んでもらえて。
それからはバレンタインやクリスマスとか、イベントのたびにお菓子を作って職場へ持っていくようになりました。
和気あいあいとした休憩時間はもちろん、少しピリピリした雰囲気の時でも、お菓子を食べる瞬間はみんな顔がほころぶんですよね。お菓子には癒しの力があるんだなあと感じました。
私にとってもお菓子作りは癒しなんです。
お菓子と向き合っている時間は無心になれて、嫌なことやストレスもいつのまにか忘れてしまう。
自分にとって幸せな時間が、みんなの幸せにつながると気づいた時、「お菓子作り」を仕事にしたいと思うようになりました。

決意表明することが、次の扉へとつながっていた。

将来お菓子のお店を出したいと思っても、正直何から始めたらいいのか分からなかったけど、まずは決意表明だと思って、SNSで「お菓子のお店を出したい!」と宣言したら、それを見た友人からイベント出店の依頼が来ました。そのイベントで知り合った雑貨屋さんからは、お店に定期的に置いてもらえるというお話をいただきました。人から人へご縁をつなげてもらって、少しずつ私のお菓子を食べてもらえる機会が増えていき、完売したり、「美味しかったよ」とお声がけいただくことが増えるごとに、自信にもつながりました。本格的な洋菓子店がない町なので、最近ではバースデーケーキをオリジナルで作ってお届けするサービスも始めました。私の作ったケーキがお誕生日の思い出のひとつになれたら、そんな幸せなことはないですね。

地元にこだわって、地元の人たちと、地元のために。

今は自宅をお店に改装するためのお金を貯めながら、資格を取る勉強をして、新しいお菓子のアイデアを考えています。
「安芸高田市」らしさにこだわって、特産品の「えびす茶」を使ったガトーショコラやスノーボールを日々試行錯誤しながら作ったり・・・。
私の住む町はお年寄りの多い町です。
だからこそ、若い世代の私が地元でお店を開くことで、世代を越えた交流の場を提供できたり、もっと若い世代の人たちや子ども達にこの町で働いて暮らすことの良さを伝えることができたらと思っています。

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