広島弁で話す!笑う!元気になる!
毎日10分つながるラジオON AIR

  • PROFILE
  • 今、広島で注目を集めるインターネットラジオがある。そのラジオ局は「ホンマルラジオ広島」。広島の魅力を毎日発信する10分番組の「つながるラジオ」と月2回30分番組の「人生の羅針盤」というコンテンツがあり、スポーツ選手からお医者さん、現役TVレポーターにサラリーマン、年齢も80代の被爆者の方から小学生まで、広島ツウのあの人この人が次々と登場する。開局から1年にもかかわらず、全国に100以上ある同類の地方局の中でもトップクラスの再生回数を誇る人気局だ。
    ホンマルラジオ広島のパーソナリティーは、広島生まれ、広島育ちのつじのりこさんと奥田朋子さん姉妹。ラジオ開局に至る経緯や日々の収録模様、経営の悩みや将来の夢を伺います。

    つじのりこ

    4歳からピアノを始め、小学校3年生からNHK児童合唱団に入団。地元の大学を卒業後に上京、会社員として勤める傍ら音楽学校に入学し、ボイストレーニング等を学ぶ。沢田研二、LOVE PSYCHEDELICOのバックコーラスを務めたほか、東京JAZZにも出演。ボイストレーナーとして新宿で活動していたが、コロナ禍を機に広島へUターン。現在、経営者からボイトレ初心者まで、幅広い指名を集める人気のボイストレーナー。

    奥田朋子

    大学を卒業後、地元で通信系企業に就職。
    現在も同社で勤務する傍ら「もっと人の役に立ち喜ばれる仕事がしたい」とPRプロデューサーの資格を取得。県内外問わずPR代行を担当し、数多くのメディア掲載を獲得。
    中国新聞セレクト「想」コラム執筆。

教えて先輩!創業でつまずくポイント、乗り越えるコツ その1
思いがけないチャンスをつかみ取る

出会って3週間で開局! ホンマルラジオ広島 。

「コロナ禍で外出が制限されたこと、オンラインレッスンが進んだことが、このラジオ局を始めるきっかけでした」

まず話してくださったのは、姉・のりこさん。東京でボイストレーニングの講師をしていましたが、コロナ禍でスタジオが一斉に閉鎖となり、オンラインレッスンへの切り替えを余儀なくされます。「ホンマルラジオ」立ち上げまでの様子からお話を伺っていきます。

東京と広島で働きつつ、ラジオとは縁のない生活を送っていた姉妹が、どうして広島でインターネットラジオを開局したのでしょうか。

2カ月ほどオンラインレッスンを試してみる中で、「Wi-Fi環境さえあればどこでも教えられる。東京は制約も多いし広島へ帰ろうかな」と思い立ち、地元へUターンします。
しかし地元に戻ってきたものの、仕事は部屋にこもってオンライン、社会人の友達は東京在住、地元の知り合いは学生時代の友人だけ……。そんな状況に寂しさを感じ、せっかく広島に戻ってきたのだから、人とのつながりを生み出すことに挑戦したいと考えるようになりました。
そんなとき、オンラインでの集客方法を相談していた知り合いから、偶然あるメディアのことを耳にします。それが、本気まるだしインターネットラジオ局「ホンマルラジオ」でした。最初は軽い気持ちで愛媛本社の代表と連絡を取りましたが、詳しいお話を伺う中で、当時既に70以上の地方局が開設しているものの「広島」は空白地帯と知り、これはチャンス!と確信。インターネットラジオ局を立ち上げることを即決し、妹に声をかけます。

小さい頃から仲良し姉妹だったという妹の朋子さん。「ラジオをやらない?」と誘われたときはどう感じたのでしょうか。

副業としてPRを手掛けていた私は、面白い話や知ってほしい情報があっても、メディアに掲載されるには、タイミングが何より大事だと痛感していました。せっかくの情報も世の中の動きと合わないと、光が当たらないのが現実です。そんな時にラジオの話を聞き、自分でメディアを運営すれば自由に情報を発信し、思う存分PRできると思い、「いいじゃん、やろうよ!」という軽いノリで、一緒に準備に取り掛かりました。

開局日は令和4年11月1日と決めたものの、そのとき既に10月の1週目。開局までたったの3週間という状況で、「やらなきゃ!」という気持ちだけで全力疾走しました。オープニング曲やサムネイル画像を自作し、電話をかけまわってゲストや収録会場探しに奔走。お昼時間に自転車を飛ばして、記者クラブへ開局のお知らせを投函するなど綱渡りの日々でしたが、なんとか無事に「広島」初のホンマルラジオが開局を迎えました。

教えて先輩!創業でつまずくポイント、乗り越えるコツ その2
困難の中にある喜びを見つけ出す

お金には代えられないもの。
それはラジオを通じて出会う笑顔。

インターネットラジオの開局に必要なのは、ハンディサイズのコンパクトな録音機材に、4人分のヘッドセットとマイクです。ちょっとした場所さえあれば、どこでも収録スタジオになりますよ。これらは本部がレンタルしてくれますし、故障すると交換してくれるのですが、初期費用として10万円ほどかかります。さらに月々の費用として、数万円のサーバー利用料や収録場所の会場代、ゲストへのお茶代などが必要です。勢い優先であまり考えずに始めたのもありますが、出演料や広告というような収入源がないため、今のところ全て持ち出しで賄っています。
ただ一方で、NGワードなしでなんでも自由におしゃべりできるのが魅力なので、出演料をいただくとゲストの方を「お客さま」として扱わざるを得なくなり、魅力が失われるのではないかというジレンマがあります。
また二人とも兼業でラジオを運営しているため、特に始めて間もない頃は、音声編集やサムネイル画像の制作、文章やリンクのWebページへの反映、データのアップロードなど、慣れない作業の連続で気付いたら深夜になることも度々でした。毎日ラジオを公開しているため、日々の収録や編集作業は時間との戦い。これはなかなか大変ですね。

苦労も多く、金銭的な負担も多いようですが、何が二人の活動を支えているのでしょうか。

日々の運営は大変で苦労も多いことは間違いありませんが、それよりもこのラジオを通して、私たちが知らない魅力的な人々に出会え、新たな広島の魅力を発見できることがとてつもなく楽しいです。こんなにもユニークですてきな人が広島にもいたんだ!と気付くたび、このラジオをやって良かったと心から思います。街を歩いていても「ここは○○さんがいる場所じゃね」「教えてもらった○○じゃ」などと、街の解像度も上がりますし、絶対自分では知り合えない方との人脈ができるのも財産です。あの社長さんとか、あのTVの出演者さんとか、あのスポーツ選手とかね、ほんと驚きです。

Campsでの収録風景

Campsでの収録風景

広島弁丸出しのワイワイとした会話も、リスナーにとっては、まるでその場にいる感覚に引き込まれるみたいです。番組中は、ほぼ笑いっぱなしですしね。
ゲストの皆さんが大笑いして喜んで帰ってくださる、リスナーさんも巻き込みながらみんなが元気になれることが一番のやりがいです!

教えて先輩!創業でつまずくポイント、乗り越えるコツ その3
共に手を取り合って創り上げる

オンラインからリアルへ。
目指すは、人々のご縁をつなぐ架け橋。

ホンマルラジオ広島が目指すのは、人々のご縁をつないで元気の源をつくること。広島には知られざる面白い人たちが、まだまだたくさんいらっしゃいます、絶対に。そんな人たちを発掘して、その魅力をもっともっと多くの人に届けたいです。
ラジオって非日常的な体験というか、「ラジオに出てください」と言って断られることって不思議とないんですよね。
これまでご出演いただいた方の中で、私たちが結び付けたご縁もあります。どちらも広島出身ではないものの、町おこしをしている社会人と大学生のケース、また被爆者で語り部をされている方と呉の歴史を本にしている女性を結んだときは、偶然にも地元が一緒で大いに盛り上がりました。ラジオで「こんな人を探しているよ」みたいに呼びかけることで、世代も分野も全く違う人々が出会い、さらに面白いことが起こるかもしれません。

開局から1年を過ぎて、ゲストも100人を超えました。今後はラジオの中だけでつながっている関係を、リアルな世界に広げることを計画しています。最近、ゲストだけが参加するSNSグループをつくりました。ラジオに出演した人々が集まり、お互いの近況を交わす場(飲み会ともいう)を企画します。私たちが目指すのは、ただのラジオ放送ではなく、人々がお互いに支え合い、刺激し合う心豊かなコミュニティーをつくることです。それぞれが抱えている、ちょっとした悩みや困りごとを共有することで、みんなで手を取り合うつながりが生まれるはず。そして、その場所から生まれるポジティブなエネルギーが広島県内外にも広がり、広島の街をもっと好きになる人が増えることを目指しています。

「ホンマルラジオ広島」は、人と人とのご縁を大切にし、一緒に笑い、一緒に学び、一緒に成長することを大切にしています。ラジオというメディアを通じて、人々が元気の源を見つけ、それを共有できる。そんな温かいコミュニティーの輪をこれからも広げていきたいです。

教えて先輩!創業でつまずくポイント、乗り越えるコツ その4
完璧を目指すより、まずは動き出すこと

これから創業する後輩の皆さんへ 。

迷っている時間があるなら、とにかく始めることをお勧めします。完璧を目指すより、まずは動き出すことです。たとえ見切り発車でも、途中で手を差し伸べてくれる人が“必ず”現れます。始めたばかりの頃、ゲストとのお金のやり取りは一切ありませんでしたが、「楽しかった!」「また呼んでね」と言ってくださるだけで、すごくうれしかったです。
またリスナーからいただく温かいメッセージも、大きな励みになります。

私たちのやっていることは、日常の中で聞こえてくる会話、広島弁のたわいもないおしゃべりをラジオに乗せて届けること。それが意外と新鮮で、人とのつながりを感じさせてくれると知りました。ゲストをお呼びして、みんなで楽しい時間を過ごす。ラジオという非日常感あふれるメディアを提供できるのが、魅力であり強みでもあります。

これから何かを始める皆さん、大事なのは楽しむ心。失敗を恐れずにチャレンジしてみてください。楽しみながら続けていれば、その気持ちはゲストにも、聞いてくれる人にも伝わります。みんなでワイワイと楽しいことを共有する。そんな経験が、これからのあなたの挑戦を豊かにしてくれると思います。まずは勇気を持って、小さな一歩を踏み出してみること。その先に新しい発見や喜びが待っているはずです。

会社情報

事業所名 ホンマルラジオ広島
所在地 広島県広島市
連絡先 honmaruradio.hiroshima@gmail.com
ホームページ https://honmaru-radio.com/category/honmaruhiroshima/
創業 2022年11月
従業員数 2名
業種 情報サービス
事業内容 インターネットラジオ

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